このブログを書いていて一番悩むのが、サッカー専門用語の扱いである。サッカーに詳しいといわれるような人間でも把握しきれないほど新語・造語が大量にあるうえ、言葉によってはプロの間でも異なる意味で使っているモノもある。下手に目新しい言葉を使うと誰も理解できない記事になってしまう恐れが強い。
例えば「レジスタ(演出家)」という言葉がある。これも人によって定義の異なる言葉だ。一般にレジスタとはボランチ、ピボーテなどと同じく中盤の底で攻撃を組み立てる選手のことを指すのに使われる、割とポピュラーな用語だ。それでは広島で「レジスタ」とは、どの選手のことなのだろうか?答えは、森崎和ではなく青山である。本来レジスタとは、前へ攻め上がり攻撃を組み立てるプレーをする選手のことを指す。森崎和のようにディフェンスの前で攻撃の起点となるプレーヤーのことは「メトディスタ(段取り屋)」というのだ。とはいえ「森崎和はメトディスタだ」などと言っても誰にも通じないため、記事を書く際は、専門誌などにならい、森崎和も青山も一緒くたに「レジスタ」として扱っている。
「レジスタ」以上に扱いに困る言葉が「突破力」である。黙って通例に従ってさえいれば問題ない「レジスタ」とは異なり、定義があいまいで、それぞれが好き勝手な意味で使っている「突破力」は、非常に使いづらい言葉だ。以前の記事で私は「ミキッチは突破力がない」と書いた。メディアやブログなど各所で「ミキッチは突破力がある」と書かれているが、1試合90分間通して分析した現在でも、その結論に変わりはない。このように異なる結論となった原因は、「突破力」に対する定義にズレがあるためである。
人気blogランキングへ続きを読む