2008年06月29日

指揮官の采配ミスに苦しむドイツ代表

・瀕死のトルコに苦戦

 後半ロスタイム、左SBラームの劇的ゴールで辛くもトルコを振り切ったドイツ。対戦相手のトルコは、戦力差を考えれば勝って当然の相手。しかも、出場停止&負傷者が続出しベストメンバーを組めない状況。ドイツは満身創痍の格下相手に瀬戸際の勝利と、決勝に向けて不安の残る試合内容だった。

 立て続けに驚異的な逆転劇を演じ「ミラクル・ターキー」などと絶賛されはしても、数少ないワールドクラスのエムレ・ベロゾグル、ニハト・カフベチらを怪我で失い、トルコの内実は苦しい。スターティングメンバーの中で世界的知名度を有するのはバイエルン・ミュンヘンに所属するハミト・アルティントップと元バルセロナのGKリュストゥ・レチベルの2人にすぎなかった。

 そのような瀕死の状態のトルコが相手だったため、準決勝は順当にドイツの完勝でもおかしくはなかった。けれども、ドイツの指揮官レーブ監督が采配ミスを連発。チームを窮地に追い込んだ。


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・バランスを崩す3人の攻撃的万能型MF

 ドイツの中盤は全員が攻撃に特徴のある選手たち。特に左SHポドルスキーは本来FWの選手。そのためレーブ監督は左DHヒッツルスベルガーを左サイドのサポートに回し、トップ下のバラックを空いた中央のスペースへ下げることでポドルスキーの守備負担を軽減しようとしていた。

 これが狙い通りにはいかなかった。ボランチでペアを組んだヒッツルスベルガーとロルフェスは、共にオフェンシブな万能型MF。どちらも守備は相方任せで最低限しかこなせない。そのため2人そろって前に攻め上がり、DFライン手前のスペースをガラ空きにしてしまうことも珍しくなかった。

 さらにバラックを中央のカバー役に割いたため、トルコの司令塔メーメト・アウレリオにフリーで攻撃を組み立てられてしまった。DFラインの前のスペースで自由に振舞うセミフのポストプレーからサイドへ展開され、両翼のカズムとポラムのドリブル突破から決定機をいくつも創られた。


・修正するも裏目

 前半15分頃に修正が入った。メーメト・アウレリオのマークにバラックを付けてトルコのゲームメークを妨害させた。これによりピッチ中央で漂流民と化していたダブルボランチも蘇生し、高い位置でボールを奪えるようになった。

 これでようやくドイツのペースかと思いきや、後半22分にトルコの先制ゴールが生まれる。失点の原因はレーブ監督の采配にあった。レーブ監督が中央にMF3人を固定したことによって、ポドルスキーがトルコの攻撃的SBサブリに一人で対応しなければならない状況をつくってしまったのである。

 失点の際にポドルスキーは、フリースローでマークを放してしまうという素人じみたミスを犯してしまう。フリーのサブリのクロスをアイハンがシュート、クロスバーの跳ね返りをポラルが蹴り込みトルコが先制した。FWのポドルスキーに一人でサブリとマッチアップさせればどうなるか容易に想像できたはずである。采配ミス以外の何物でもなかった。


・逃げ切りに失敗

 後半34分のクローゼのヘディングゴールで2−1とリードしたドイツ。ここでもレーブ監督は手綱さばきを誤ってしまう。守備の脆い左サイドを放置し、後半39分にその左サイドをトルコに切り崩されて同点ゴールを決められてしまった。

 ドイツは試合を通じてラーム、ヒッツルスベルガー、ポドルスキーの左サイド3人全員が対面のカズム、アルティントップ、サブリとの一対一で劣勢を強いられていた。リードした以上は当然選手交代などなんらかの修正を施す必要があった。

 もちろん試合中ずっと彼らが黙ってやられていたわけではない。例えばヒッツルスベルガーは、アルティントップの裏のスペースへ侵入してフリーでミドルシュートを放ち何度かチャンスをつかんでいた。レーブ監督としてはハイリスク・ハイリターンということだったのだろう。しかし、リードした状況でそこまでリスクを冒す必要はない。フリンクスとポジションを左右に入れ替えるだけでも守備は安定したはずである。


・決勝戦への不安

 トルコ側のアクシデントで試合終了間際に突き放して勝利することができたが、このままでは決勝でスペインに勝つことは難しいだろう。イニエスタとダビド・シルバの2トップ下を中心とする中央突破は破壊力抜群、セルヒオ・ラモスとカプデビラの両SBのオーバーラップは驚異の一言だ。

 ポーランド、オーストリアといった弱小国なら完封できても、クロアチア、ポルトガル、トルコといった中堅国以上の面々に2失点ずつを喫しているドイツの脆弱なディフェンス陣では、まず無失点に抑えられない。

 抜群の相性の良さを見せていたビジャ・トーレスのコンビがビジャの怪我で解消されそうだというニュースは朗報だが、それでもスペインにはリーガ・エスパニョーラ得点王のグイサがいる。逆にドイツはバラックの負傷欠場という報道もある。レーブ監督が評判通りの分析力を発揮し、何らかの打開策を考えねば、ドイツの敗戦は必至だろう。


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posted by hume at 15:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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