2008年11月21日

『脱欧入亜』岡田監督の理想は中東サッカーである

・岡田JAPANのサッカーは典型的な中東サッカーだった

 カタール代表と日本代表のサッカーは、非常に似通っている。もちろんフォーメーションのことだけを言っているわけではない。それ以外にも数多くの共通点がある。両チームとも、最終ラインの両サイドには攻撃的なSBが起用され、中盤の底にはカウンターの起点となる攻撃的ダブルボランチ、そして前線には2人のセカンドトップが入った。ちなみに186センチの長身FWセバスチャン・キンタナは、身長こそ高いもののスピードあふれるドリブル突破が一番の持ち味という玉田系のセカンドトップである。

 日本の快速FW対策としてスピード系ストッパーが抜擢されたCBと、パサーの中村俊輔に対してドリブラーのイスマイルが配された右SHの2か所は、さすがに選手のキャラクターが異なっていたが、他のポジションは互いに似通ったプレーヤーでチームが構成されていた。戦術も同じく互いにロングパスを多用したリアクション中心のサッカーだった。


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・中東サッカーとは

 砂漠気候のもとで行われる中東のサッカーは、環境面から必然的に省エネ・サッカーにならざるを得ない。ときには気温40度を超えるという過酷なアラブの灼熱地獄の前には、オシム式の「考えて走るサッカー」など、選手に多大な運動量を要求するようなサッカーは、実行不可能である。

 それゆえ伝統的に中東の選手は、CBには引いて守りきる高さと対人能力、ボランチにはボール奪取力と速攻の出発点となり前線へボールを送り届けるパス供給力、攻撃的MFとFWにはパスを受けて単独でゴールを陥れられる突破力が必須とされる。そのうえ強豪チームの場合は、SBに引いて守りを固める相手を攻め崩す攻撃力が求められる。

 戦術面で特徴的なのは、アラブ系民族と敵対するペルシャ系民族のイラン人が「精神的テロ」と忌み嫌う突発的大攻勢である。中東のサッカーは基本的に少数で攻める守備重視のサッカーだが、勝負どころでは突然に多人数で総攻撃を仕掛けてくる。


・トルシエJAPANに惨敗した中東サッカーを目指す馬鹿馬鹿しさ

 中東サッカーは伝統的に守備に重大な欠陥を抱えている。2ボランチと両SBにオフェンシブな人材をもちいるため、CBの両脇・前方にスペースが生じやすく、このスペースへ相手のFWに入られるとCBが持ち場から引きずり出され、ゴール前がガラガラになってしまう傾向がみられる。

 この弱点を巧みについてアジアカップ2000を制覇したのが、トルシエJAPANであった。高原、柳沢の2トップがCBを誘き寄せ、空いたゴール前にトップ下の森島が飛び込むという形でゴールを量産した。その突出した強さに地元紙に「日本サッカー、脱アジア宣言」などと書きたてられるほどだった。

 それがわずか8年で再び脱欧入亜してしまったのである。W杯本大会を勝ち上がるために考え抜いた結論が、8年前に叩きのめした中東サッカーとはなんとも情けない話ではなかろうか。脱亜入欧を果たしたと実感した、この8年あまりは一体何だったのだろう。どうにもやるせない。


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posted by hume at 19:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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