2008年11月28日

【インテル対ユべントス】同タイプのFWの2トップがうまくいかないというのは本当か?

・オランダの長身FWのコンビは機能しなかった

 同じプレースタイルのFWの組んだ2トップは、攻撃のバリエーションが減るなどの理由から、一般に相性が悪いと考えられている。その典型的な例が元オランダ代表FWのファンニステルローイとクライファートのコンビだろう。彼らはプレースタイルだけでなく身長と生年月日まで同じということで有名である。2人がペアを組んでいたW杯2002予選の際のオランダ代表チームは、2トップが思うように機能しなかったことなどから得点力不足に苦しみ、予選敗退に追い込まれている。

 この両者は仲も相当悪かったらしく、毒舌家のクライファートなどはインタビューで「正直邪魔なんだよ」「彼は理想のセカンドトップ(センターフォワードは俺のポジションだからお前はセカンドトップに引っこんでいろという意味)」とファンニステルローイを攻撃するほどだった。その後、激しいポジション争いの末、ファンニステルローイがオランダ代表のエースとなり、競争に敗れたクライファートは欧州選手権2004以降、代表へ選出されなくなった。


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・攻撃は2トップだけでするわけではない

 ファンニステルローイとクライファートのペアは確かにうまくいかなかったが、それではイブラヒモビッチとアドリアーノのコンビはというと、この二人の2トップはユべントス戦ではしっかりと機能していた。その理由は、スタンコビッチとムンタリのゴール前の飛び出す動きにあった。彼らがペナルティボックスへ積極的に入り込むことによって、攻撃のバリエーションの減少を防ぎ、2トップの弱点を補っていたのである。

 インテルはユべントス戦で、これまでの4−3−3や4−4−2ではなく、4−3−1−2を採用した。このシステム変更は、ズバリ的中する。これまでの4−3−3や4−4−2の場合、サイドに流れたがる彼らのプレースタイルが問題となった。FWがサイドに流れた場合、彼らに代わってゴール中央に飛び込む選手が必要となる。そうでなくてはゴール中央の人口密度の低下やサイドの渋滞など様々な不都合が起こってしまう。それに対してユべントス戦ではスタンコビッチとムンタリがシャドーストライカーとして何度もチャンスに絡んでいた。最後にはムンタリがゴールを決め、チームを勝利に導くほどだった。


・戦術で前線の弱点を補う

 この試合で大活躍だったスタンコビッチだが、シーズン当初はモウリーニョ監督の構想外であった。事実、故障者続出が原因で出場機会こそ得ていたものの、モウリーニョ監督の戦術にも合わず、今期はたいしたパフォーマンスを見せられずにいた。4−3−3の中盤としてはヴィエラやムンタリに比べて守備力で劣り、4−4−2のサイドアタッカーとしてはクアレスマやマンシーニほどのスピードと突破力が望めない、かといって4−3−1−2のトップ下として起用するには2トップへのパス供給力が足りない、といった具合にスタンコビッチは、モウリーニョ監督にとっては、どうにも使いどころがない選手だったのである。

 けれどもユべントス戦での戦術変更がスタンコビッチのトップ下起用を可能にした。この試合でインテルは、最終ラインからサイドに流れる2トップへ直接ロングボールを放り込んだ。これによってトップ下の役割が変わる。パスが中盤を通らないのであれば、トップ下にパスセンスなど必要ではなく、サイドでボールをキープしたイブラヒモビッチやアドリアーノからのパスを受けられるかどうかが重要となってくる。そうなるとゴール前に飛び出すプレーを得意とするスタンコビッチの独壇場である。ゴール前でのプレーを不得意とする2トップに代わって、ムンタリとともにペナルティエリアで躍動した。

結論、前線だけで攻撃を語ってもあまり意味はない。


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posted by hume at 22:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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