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鹿島は、ボランチではなくSBが攻撃の起点となっている。まず内田、新井場がドリブルでボールを前に運び、相手のディフェンダーをサイドに引きつけ陣形を横に開かせる。そうして出来た中央のスペースへ飛び込むマルキーニョスら4人のアタッカー(+小笠原)に合わせてSBがパス供給する。そして最後は、4人のコンビネーションと個人技でゴールに持ち込む。これが鹿島のもっともベーシックな攻撃パターンである。そのため内田、新井場のどちらか一方が離脱すると、攻撃が満足に機能しなくなってしまう。
彼ら以外がSBに起用された場合、この攻撃パターンは使えない。ほおっておくとペナルティエリアまでドリブル突破してしまう内田、新井場だからこそ、相手のディフェンダーが中央を手薄にしても、早めに縦のコースを切りに来るのである。パスしかないと分かっている増田や中後がSBならば、ディフェンス側にサイドまでチェックに行かなくてはならない理由はない。
相手守備陣に中央を固められてしまうと鹿島のアタッカー陣は苦しい。飛び出すスペースがなくては、彼らの機動力が生きない。SBの代わりにボランチが攻撃を組み立て、サイドにボールを散らし、相手の堅陣に隙間を創ることができれば理想的なのだが、鹿島にはゲームメーカーがいないため、それもできない。小笠原がいるではないかとの声もあるだろうが、小笠原はチャンスメーカーであってゲームメーカーではない。チャレンジパスを多用する傾向があり、じっくりと攻撃をビルドアップするようなプレーは得意ではないのだ。それゆえに昨季の鹿島は、内田が不出場だった9試合中わずか1勝しか挙げられなかった。
鹿島が優勝するためには、田代と野沢の復活が必要だ。一昨季に成功した、田代をターゲットとするロングボール戦法ならば、内田が離脱してもダメージを最小限に抑えることができる。なぜならロングボール主体で攻撃を組み立てればSBが起点とならなくてもよくなるからだ。そしてロングボール戦法を機能させるためには野沢がダニーロからレギュラーを奪う必要がある。鈍重なダニーロでは田代のサポートは難しい。ダイナミズムに優れる野沢のほうが後方支援役として適任だからである。
今季の内田は、日本代表のレギュラーに定着したことにより、コンディションの調整がこれまで以上に難しくなる。昨年の鹿島は、内田が離脱の際には勝ち点を稼げず、一昨年の勝ち点72から10も少ない勝ち点62だったため、最終節まで優勝争いがもつれ、危うく連覇を逃すところだった。今年も内田離脱時のオプションを用意できないようだと、3連覇は難しいだろう。
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「鈴木修人に期待」とは去年の予想で私も言ってました。
ただし鈴木は現在、ボランチ本山よりも低く評価されているらしく、鹿島の中ではあまり期待されていないようです。
理由はわかりません。
わたしは鈴木のプレーを見たことありませんから。
丁寧な分析ありがとうございます。
鹿サポとしては納得できかねる箇所もありますが(笑)。
しかし論旨の前提が全て両SBが欠けた場合になっていますが、課題はそれだけ、ということですかね。
左:パク、宮崎、中田
右:増田、新井場、當間、笠井
確かに未知数ですね。
まあ代表級のレギュラーのバックアップはどのチームでも難しいものですよ。
篤人は昨年は五輪とフル代表の掛け持ちでした。代表での試合出場も多かった(確か遠藤に次ぐ二位)。故障離脱もありました。
今季はフル代表のみなので他の代表選手と条件は同じ、むしろ去年よりはるかにマシと思います。
修人について、
現時点で本山よりも評価が低い→○
鹿島の中では期待されていない→×
ですのでそこのところはよろしく。
当ブログはツッコミを歓迎しています。
鹿島の課題というと一番目立つのが中後の穴をどう埋めるかでしょうね。青木やCBにアクシデントがあった際に現有戦力で対応できるか、気になるところです。
ただこの点については他のブログなども取り上げられていたので記事にはしませんでした。
あまり長文すぎるのもアレですし。
それとSBで問題なのはレギュラーと控えの能力差ではなく、SBにビルドアップの局面で過剰に負担がかかっている点です。
SBが増田や中後だったとしてもボランチにサイドをうまく使いこなせるゲームメーカーがいたならば、それなりに結果を出せたと思います。
本山のボランチ起用は、おそらくビルドアップよりもプレッシングを優先したためなのでしょうから、特別否定はしませんが、欲を言えばプレスも組み立てもできるボランチが欲しかったところですね。
田代のことをこんなにも評価していただいてうれしい限りです。
このブログを見て田代と野沢がレギュラー奪回できる気がしてきました。
私は鹿島の攻撃の軸がSBであることは全く問題だとは思っていません。これまでもそうでしたし、それが伝統です。
また、中盤が問題でもありません。鹿島ほどサイドバックをうまく使う中盤はJではないです。
チームでSBに求められる役割にブレはなく、従ってサブとの能力差がまさに課題と言えると思います。
新井場と篤人がフル出場に近い働きが出来ること。万一の離脱時にはサブが遜色ない働きが出来ること。いずれにせよそれがひとつの鍵なのに変わりはないです。
他にも課題だらけですけどね。
>攻撃をビルドアップするようなプレーは得意ではない
ボランチ満男の最も得意とするところと思いますが・・・
>本山のボランチ起用は、おそらくビルドアップよりもプレッシングを優先したためなのでしょうから、特別否定はしませんが、欲を言えばプレスも組み立てもできるボランチが欲しかったところですね。
どう見てもビルドアップ優先ですが・・・
プレスも組み立てもできるボランチ確かに欲しいです。ってどこのチームでも欲しいでしょ(笑)。日本人だと選手名が思い浮かびませんね。
広島とはあのゼロックス以来ですね。
今季対戦楽しみにしています。
質問なのですが「内田、新井場欠場時の鹿島の低調」の原因は、何と考えられていますか?
私はボランチの構成力不足が原因とみていますがどうでしょう。
いま日本人FWの中でターゲットマンとして一番期待できる選手なので、是非とも復調してもらいたいものですね。