2009年04月13日

高柳が高萩からポジションを奪えた理由

 高柳は昨シーズンより成長している。それは確かだ。出来ることと出来ないことの区別がつくようになり、プレーの選択がシンプルになった。その結果が現在の好調につながっている。

 しかし高柳は、トップ下としての資質では高萩に遠く及ばない。ゲームメーカーとしてはプレー・ビジョンに欠けるため比較対象にすらならない。チャンスメーカーとしてはクロス技術で上回るものの、スルーパスがレパートリーに含まれていないため、総合的なアシスト能力で見劣りする。フィニッシャーとしてはマークを外す動きに雲泥の差がある。ディフェンスにおいても対人プレーに強くとも自己犠牲の精神に欠けることからサボるシーンが散見されるなどトータルな守備貢献度で劣っている。それでも高柳が高萩からポジションを奪えたのには理由がある。


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 それは高萩のプレーが他の選手でも代替可能なものなのに対して、高柳には強靭なフィジカルを活かしたドリブルというオンリーワンな武器があるためである。ロングパスならば青山とストヤノフがいる。ビルドアップとスルーパスならばその二人に加えて森崎和と柏木がいる。贅沢な話だが、高萩のプレーは他の選手でいくらでも補いようがあるもののなのだ。これに対して高柳のプレーは、それまでのサンフレッチェの弱点を埋めるものだった。

 高柳がポジションを得る前のサンフレッチェは、いったん押し込まれるとそのまま一方的に攻められてしまうという欠点を抱えていた。足元にボールを納められる選手が柏木ただ一人だったため、柏木を抑え込まれると逆カウンターを恐れて攻め上がりを躊躇する選手が出始め、佐藤寿にロングパスを放り込む以外に選択肢がなくなり、ボールを奪い返されては波状攻撃に遭うという傾向があった。それがドリブルでボールを前に運べる高柳がシャドーの位置に入ったことにより、ボールの預けどころが増え、周囲の選手も安心して敵陣まで走り込めるように改善されたのである。

 フィニッシュの局面でも高柳は、プレーの質で高萩に劣りながらも、チームに対する貢献度で上回っていた。高萩はマークを外す動きが抜群にうまい、それに比べて高柳はプレーが直線的すぎて相手DFに動きを読まれていた。けれどもそれが好結果を生んだ。ゴール前でフリーにもかかわらずミスを連発してチャンスを不意にする高萩に対し、高柳はオトリ役となってDF陣の注意を引き付け、ゴールを演出するのに一役買っていたのだ。柏戦の服部のゴールがその典型だろう。高柳は柏の左サイドバック村上との空中戦に競り負けゴールを挙げられなかったが、そのおかげで服部はどフリーでシュートを決めることが出来た。

 単純に能力を比較すれば高柳は、高萩よりも明らかに未熟なプレーヤーだ。守備のユーティリティなどと評価されていたとは信じがたいほどエゴイスティックで献身性に欠ける。能力的には明らかにディフェンス向きなのだが、性格的にはアタッカー向きというチグハグな選手だ。それでも高柳が高萩以上にチームへ好影響をもたらしたのは、まぎれもない事実である。つまり高柳がポジション争いに勝ったのは順当というわけだ。


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posted by hume at 21:19| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
柏戦の3点目のとき、意外と難しい短いスルーパスを寿人に通していたので
通せる技術や能力はあるんでしょうね。もっとチャレンジすればいいのにと思います。
Posted by cfr at 2009年04月14日 14:15
>cfrさん
プレッシャーのきついバイタルエリアでスルーパスを出せるようになれば一人前なんですけどね。
Posted by hume at 2009年04月14日 19:32
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