色々と観ていくうちに面白い発見があった。
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田中達也と大久保嘉人は、日本を代表する俊敏なドリブラーだが、一般に思われているほどスピードがあるわけではない。
小柄で軽快な動きが、いっけん素早いように見せてはいるが、足の速さそのものは並みである。
以前見た試合で田中などは、特にスピードのあるわけでもない大分トリニータの鈴木慎吾にイーブンな状態で走り負けていた。
同じく大分の家長昭博の方が、単純なスプリント能力では、田中や大久保より上だろう。
それならば田中と大久保が、なぜ日本代表FWに選ばれ続けているのか。
これから順を追って説明しようと思う。
それではまず田中からだ。
田中の武器は、動き出しの巧みさと、左右両足から繰り出される多彩なプレーにある。
田中は運動量豊富で機動力に富み、オフ・ザ・ボールの動きに優れている。
マークを外してパスを受ける動きが非常にうまい。
足元にボールを納めると必ずと言っていいほどドリブルを仕掛けるのはよく知られた話だろう。
ただし田中のドリブルは、細かなステップで相手を揺さぶり、重心の逆を取るスタイルだが、無理に抜きにいこうとはしない。
抜けなくてもいっこうに構わないといったドリブルなのだ。
田中のスピードでは、相手に距離を取って対応されると、簡単には抜けない。
こういった場合は、ドリブル以外の選択肢を選ぶことになる。
ペナルティエリア手前中央ならば、変幻自在のステップワークでDFをけん制しつつミドルシュートを狙う。
ゴールから距離が遠ければワンツーを試み、サイドに流れてボールを受けたなら、シンプルにクロスを上げる。
もちろんDFが不用意にボールを奪いに来たなら、重心の逆を取って、そのままドリブルで持ち込む。
このように1対1の突破にこだわらない姿勢が、逆に田中をJリーグ・トップクラスのドリブラーと周囲に認めさせる要因となったのだろう。
とはいえこのプレースタイルは、諸刃の剣でもある。
足の短さを活かした小刻みなステップには、相手に不用意に飛びこませないという効果があるものの、ファール覚悟でタックルしてくる相手には無力で、タックルを交わしきれずに大けがを負うことが少なくないのだ。
2005年には土屋征夫(当時は柏レイソルに所属)のハードタックルを受け、W杯ドイツ大会への出場を棒に振っている。
続いて大久保の解説をしよう。
大久保の持ち味は、ポジショニング・センスとパス技術にある。
田中と同様に、細かくステップを踏み、無理な突破は試みない。
ポジションは、トップ下が適正だろう。
中盤でパスを受ければ前線にスルーパスを狙い、サイドに展開した場合は、ゴール前へ飛び込み、折り返しをゴールにたたき込む。
ポジショニングに優れており、小柄ながらフリーでヘディングするのもうまい。
これまでにJ1で通算64ゴールを記録しているが、そのうち20ゴール近くがヘディングでの得点だ。
DFラインの裏への飛び出しを不得手としており、スルーパスへの反応があまりよくない。
ジーコジャパン時代に無得点試合が続いたのはそれが原因だろう。
個人的にはドリブルよりもパスが先だと思っている。
今年の欧州最優秀選手賞を受賞したC・ロナウドもジュニアユース時代、パスを覚えるまでドリブルを教えてもらえなかったそうだ。
海外を観てもパスを使えないドリブラーが軒並み淘汰されてしまった。
もはやドリブラーは、佐藤寿人のようにDFラインの裏への飛び出せるようになるか、メッシのようにアシストもできる選手でなければ、生き残ってはいけない。
というわけで平繁。
どちらか習得してくれ。
お前まで前田のようには、なってほしくない。
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