2006年04月21日

美しく組織的なサッカーを期待するのは・・・

「眠い・・・」などと云わずに書き終えていればよかったのかもしれない。
地元紙の報道で大体どういったサッカーが展開されるか予想がついてしまった。
仕様がないので大幅にショートカットして解説を進めようと思う。


望月監督がテクニカルなパスサッカーを志向した場合は、おそらくこのような布陣になると思われる。

―――――――――上野―――――
―――ウェズレイ――――――――
―――――――森崎浩――――――
――――ベット――森崎和――――
―――――――戸田―――――――
―服部――――――――――駒野―
―――――吉弘―ジニーニョ―――
―――――――下田―――――――

バリエーションはいくつか考えられるのでこれは一例に過ぎないが、今回はトライアングルのつくり易いダイヤモンド型の4−4−2を基に説明したいと思う。が・・・長くなるので細かい説明は大幅に省略。これまでのダイレクトプレー志向の強いサッカーとは異なり、素早いボール回しを中心としたパスサッカーが基本となる。

ここで注目すべきはエースFW佐藤寿人が外れている点。以前書いたとおり寿人はクロスやこぼれ球をゴールに結びつけることにかけてはリーグ随一のフィニッシャーだ。しかし、上記のフォーメーションのようにトップ下を置く利点を活かそうと思えば、攻撃は2トップとトップ下が連携し、中央から仕掛けるパターンが多くなる。それによりFWにはクロスへの反応などよりも、スルーパスやコンビネーションへの対応力の高さが要求される。こういったプレーでは寿人はウェズレイどころか前田・大木・上野といった面々にも遅れをとっている。ポゼッションを重視すればウェズレイがFWの軸になるのは自明の理だ。ウェズレイのパートナーには中盤の攻撃力を引き出すことにかけてはリーグ屈指のスペースメーカー上野が適任と思われるが、高度なテクニックを保持し、アシスト役をこなせる前田・大木でも、もちろんOK。だが佐藤寿人が付け入る隙はない。

しかし、こういった選択を望月監督がする可能性はまずない。チームが低迷に喘ぐ中、孤軍奮闘したエースストライカーを外すなどという選択をサポーターが許すはずなどない。いまの寿人は監督にもよほどのことがない限りメンバーから外せないアンタッチャブルといってもよい存在となってしまったのだ。

そうなるとテクニカルな中盤とサイドアタックで持ち味を発揮する佐藤寿人の両方を考慮し、サイド・中央のバランスを取れた戦術を採用するという選択になるはず・・・。

っと大分意味を失ってしまった文章を長々と書いてきたが、報道から察する限り、望月監督はGKコーチらしくGKの下田を基点にチーム創りを行うつもりのようだ。

―――――――――寿人―――――
―――――上野―――――――――
――――― ウェズレイ―――――
―服部――――――――――駒野―
――――ベット――戸田―――――
―――盛田――小村――吉弘―――
―――――――下田―――――――

日本代表GKの下田はシュートに対する反応の速さでは日本一といっても良い優秀なGKだ。DFがシュートコースを制限しているとはいえ、意図的にシュートを打たせて止めるなどという芸当が出来るのも、日本では下田くらいのものだろう。そんな下田にも欠点がある。足元の技術と狭い守備範囲、そしてクロスボールの処理だ。下田はクラシックなタイプのGKで基本的にゴールエリアから出ることはない。そして足元の技術に難があるため、敵のプレッシャーに対して露骨に嫌がるような素振りを見せ、セーフティにボールをクリアしてしまう傾向がある。しかし、現代サッカーにおいてGKには、ディフェンスラインの後方に広がるスペースのケアする守備範囲の広さと、ゴールを離れてのバックパスの処理や、ディフェンスラインとのパス回しなど、フィールドプレーヤー並みのボールテクニックがGKに要求されるようになってきている。下田の特徴を考えればハイラインのサッカーを志向するのはリスクの高い選択だ。高く保たれたライン裏の消されていないスペース、稚拙なボールテクニックを狙った敵のプレッシャー、どれもゴールに直結しそうな危険な因子となるだろう。もちろん攻撃面のメリットを優先し、デメリットを承知で採用するのもアリといえばアリだが。

しかし、GKコーチだった望月監督がそのような選択をするわけもない。最終ラインを自陣奥深くに設定したマンマーク主体の2ストッパー・1リベロの3バックを採用するようだ。これならば不得手なクロスボールの処理はディフェンダーに任せることができ、足元にボールが来た場合は細かくコントロールせずとも上野目掛けて蹴り飛ばせれば十分だ。短所が目立たせず、長所であるシュートへの対処に専念できそうだ。

おそらく攻撃の組み立ては上野へのロングボールからの展開が主体になるだろう。上野の落としを拾ってサイドへ展開し、そこからクロスをゴール前に放り込むのが基本パターン。トップ下にウェズレイというのは戦術がロングボール主体に変更になったあおりだろう。寿人のスタメンは絶対。しかしロングボールのターゲットとなる長身FWは必要。そうなるとウェズレイを使おうと思えば、ポジションを一列下げざるを得ない。唯でさえ層が厚すぎて過競争に陥っているトップ下にウェズレイをコンバートするのもどうかとは思うが、現状では仕方がない。そしてターゲット役としてならば線の細い上野よりも重量感のある盛田のほうが適任と思われるが、盛田本人の意思もあるので無理強いも出来ない。望月監督が選手起用に苦心する様が目に浮かぶ。

確固たる自らのサッカースタイルを展開することでゲームを支配しようとするのではなく、むしろ、対戦相手を研究し、以下にその長所を削ぐ事に腐心するような、こういったサッカーを志向する監督のことをイタリアではディフェンシビスタ(ディフェンス主義者)と呼ぶ。

望月監督がそうだとはいわない。こうなるにはそれなりの事情がある。サイドからにしろ、中央からにしろ、数的優位を創りながらボールを深いゾーンにまで持ち込むには、組織的なメカニズムを機能させる必要がある。複数の選手がシンクロして動かなければ、有効な攻撃に持ち込むことは不可能だ。そうしたメカニズムを機能させるだけの時間的余裕は望月監督に残されていない。攻撃がカウンターやロングボールの落としからの選手個人の局面打開力と即興的なコンビネーションに依存した非組織的なものになってしまうのは当然のことであり、いまのサンフレッチェに美しい組織的なサッカーを期待するのは筋違いなのだ。



実際の試合がどうなるかは私にも分かりません。
ただし私の予想通りならば、見る人によってはつまらない試合になってしまうかもしれません。
しかし、いまは結果が何よりも優先されます。
不恰好でも勝ちは勝ちなのです。
あまり試合がつまらないと非難しないであげてください。
どうか万来の拍手で迎えてあげてください。
よろしくお願いいたします。

posted by hume at 23:33| Comment(4) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
前日練習やら中国新聞の報道を見た感じではFW、トップ下、センターバック誰を使うかはわかりませんが、目指しているところ、フォーメーションに関してはおそらく管理人さんが書かれたようなサッカーをやると思われます。

望月さんがよろうとしているサッカーは管理人さんが書かれたような結果が伴わなければ「面白くないサッカー」であることは間違いないと思います。
今は結果がでることを祈るしかないですね。
Posted by sw at 2006年04月22日 05:05
>sw
おひさしぶりです。

そうですか。
まあ、セレッソの塚田監督のような大バクチをやらかされるよりは安心ですね。
こういったサッカーなら小村や盛田の敏捷性不足も気にならないでしょうし、楽観視しても良いと思います。
Posted by hume at 2006年04月22日 13:36
はじめましてswさんの紹介でやってきました。
昨日の試合はいろんな意味で予想通りの展開。
監督は守備の再構築をテーマにかかげて
試合に臨んだのでしょうね。
しかし結果が伴いませんでしたし
セレッソの拙さに助けられた面もあったと思います。
せめてボランチだけでも活動量の多い選手に
代えてくれればああいうサッカーでも
多少は様になるんですが・・・
Posted by トラマ at 2006年04月23日 11:27
>トラマさん
はじめまして。

予想通りとのことですが、私の方ではポジティブな意味で予想が外れてしまいました。

小村・盛田が起用されていたので、てっきり自陣に引きこもってウェズレイらの個人技頼みのカウンターサッカーをやるのだとばかり思っていました。

しかし、ボールを奪った際には素早くラインを押し上げ、積極的に人数を掛けて前に出て戦う姿勢を見せてくれました。

現実にはウェズレイにキープさせて中盤の上がりを待つよりも、後半のように少数で特攻させた方が効果的というのは残念ですが。

ただ、後半のようなサッカーならともかく、前半のようにボール奪取後にラインを高く押し上げるようなサッカーならば、敏捷性に欠ける小村・盛田では厳しいですね。

余りたがる吉弘をストッパーで使うのも感心しませんし、できれば望月監督には、中央に吉弘、その両脇に八田・西河で最終ラインを組んで欲しいのですが・・・。
Posted by hume at 2006年04月23日 17:54
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